スピリチャルでアートな日々、時々読書 NY編
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カーラ・チャクラ六座グルヨガ・コース参加報告3
2010年6月27日日曜日
今日は、カーラ・チャクラ六座グルヨガの修習について、概要を紹介します。ただ、いつもお伝えしているとおり、タントリックな教えは、適切な灌頂を受け、信頼の出来る師の元で修行することが原則です。これから紹介するものは、カーラ・チャクラ六座グルヨガのごく一部で、これだけ読んでも修行は出来ません。また、一部だけを自己流で行うと、時には深刻な事態を招く怖れもあります。何でもないようにみえて、タントリックな修行は、精神の思わぬ暗部を引き出すことがあります。くれぐれも、勝手に修行しないようにお願いします。
では、カーラ・チャクラ六座グルヨガの修習法の概略を紹介しましょう。
帰依、発菩提心、四無量心
仏法僧の三宝に帰依し、一切衆生を救うという菩提心を起こし、慈悲喜捨の四無量心を保持します。
菩薩戒
大乗仏教の修行の根本である菩薩戒を守ることを誓います。
本尊生起
眼前に一面二臂のカーラチャクラ尊と女尊を観想します。
七支分
オム・フム・フム・パットの真言を唱えながら、礼拝、供養、懺悔、随喜、勧請、祈願、廻向の七支分の修行を観想します。
本尊の観想
眼前のカーラチャクラ尊から光が自身の頭頂、喉、胸のチャクラに放たれると観想する。頭頂には白い光、喉には赤い光、胸には青黒の光が放たれ、それぞれの種字であるオーム、アー、フーム字に吸収される。これにより、身口意の三業が浄化されたと観想する。
ダライ・ラマの真言
オム・アー・グル・ベンザダラ・バダラカ・マンジュシュリ・ワキンダラ・・・・・という文殊菩薩=ダライラマのマントラを7回唱え、身体の7つのチャクラをそれぞれ浄化する。
灌頂の祈願
カーラチャクラ尊に、4つの灌頂を与えてくれるよう祈願する。
カーラチャクラ尊の生起
カーラチャクラ尊を頭頂の上に勧請し、ついで自身の胸の中に降ろし、カーラチャクラ尊と一体化する。そして、自身が女尊を抱いたカーラチャクラ尊になったと観想する。
諸尊の勧請
カーラチャクラ尊になった状態のままで、胸の種字から諸尊を空中に放出する。その際には、それぞれの固有マントラを3回ずつ唱える。全部の諸尊を放出したら、再び、諸尊を胸の種字に戻す。
金剛薩埵の百字真言
金剛薩埵の百字真言を唱えて心身を浄化する。
カーラチャクラ供養
カーラチャクラ尊を再び眼前に観想する。真言を唱えながら、カーラチャクラ尊に、水、香水、花、香、音楽などの供物を捧げると観想する。
祈願
カーラチャクラ尊と女尊のヴィシュヴァマータ尊に対して、修行を導いてくださるように祈願する。
カーラチャクラ尊の生起2
眼前のカーラチャクラ尊と女尊が光の中にとけ込み、さらに自分自身もその光の中にとけ込んで消失すると観想する。自他不二の空性の状態から、再び、自身をカーラチャクラ尊として生起する。
廻向
修習によって得た利益を一切衆生に施し、一切衆生を救うために努力することを誓う。
上記の過程を3回繰り返し、3度目の最後に、普廻向を行う。
いかがでしょうか。六座グルヨガとしてどのような観想をするかというイメージは何となく分かっていただけたと思います。しかし、もちろん、実際の修行なこんなに単純なものではありません。例えば、カーラチャクラ尊を生起する際には、どのようなお姿をしていて、どのような場所に座っていて、どのような持物を持っておられるかをそれぞれの形、色と共に具体的に観想する必要があります。もちろん、1回ではとても細かく覚えることが出来ませんから、繰り返し修習することで、徐々によりクリアに観想するようにしていくわけです。他の瞑想法でも同様ですが、観想型の瞑想では、出来る限り具体的に色彩付きで観想できるようになればなるほど、その効力は増します。
同時に、この瞑想法が、タントリックな手法を活用していることもおわかりいただけると思います。例えば、眼前のカーラチャクラ尊から光が放たれて自身の身口意の三業が浄化されたと観想するとき、実際に、頭頂、喉、胸のチャクラが活性化されますし、金剛薩埵の百字真言による浄化法を使うことで、全身の不浄な気を清めることが出来ます。
しかし、カーラ・チャクラ六座グルヨガの最大の特徴は、2回目のカーラチャクラ尊の生起だと思います。それ以前の様々な観想により浄化された心身を完全に光の状態にしてしまい、光の中から再び自身をカーラチャクラ尊として生起する。光の中に入った状態の自他不二の空性の状態は、これが達成できれば、非常に高度な悟りの状態にあると言えます。もちろん、その状態を実現するためには、長い年月の修習が必要でしょうし、戒を守って心身を清浄に保つことも必要ですが、六座グルヨガという日々の修習において、このような高度な技法が組み込まれているところが、カーラチャクラ六座グルヨガの素晴らしいところだと思います。
もちろん、カーラチャクラの修行をさらに進めていけば、身体の各所にあるチャクラと脈管をさらに自在に動かしていく修行法が用意されているわけですが、その紹介はまた別の機会に譲りたいと思います。
ナムギャル寺院外観