フリーダ・カーロの自画像。彼女は、膨大な数の自画像を残している。そこには、人生の苦しみ、自立への強い意志、愛する者への献身、生まれなかった子供へ哀惜など、人生の節目節目での経験が色濃く影を落としている。しかし、晩年にいたり、彼女は深い森を背景に様々な動物たちと一緒になった自画像を描き始める。それは、大自然との交感を通じて神々の世界に足を踏み入れようとしているようにも見える。彼女は、苦難を通じて、超越性に向かった人のように僕には感じられる。